三重県民のアイデンティティ(前編)

 

東京にやってきて半年が過ぎました。いい加減、心のキャパシティがオーバーした事案があります。

 

それは

「三重県民のアイデンティティについて」

職業柄もあるんですけどね、多分1日に3回から多くて10回くらい「関西出身?」って聞かれます。いつも私が返す答えは「NO」です。


私の出身は三重県の北西部、伊賀市です。
滋賀、京都、奈良に隣接していて、テレビは関西東海両方の番組がうつります。実際話す言葉はいわゆる関西なまりです(伊賀弁なんですけどね)。三重県というただでさえ中途半端な県出身で、いわゆる「関西弁」を話すせいで今アイデンティティ崩壊の危機なのです。

 

 

三重県は何地方?

ところで三重は何地方に属するのか…何度となくされてきた議論ですが、
いくつか実際の区分を挙げてみましょう。

・教科書や辞書では近畿地方(とされる場合が多い)
・日本郵政グループでは東海支社
・JRは東海(亀山より西は西日本)
・NHKは東海北陸
・中部電力(熊野市より南は関西電力)
・NTTは西日本

さらにwikipediaで「関西」を調べると、大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、和歌山の二府四県、関西地域振興財団では福井県、三重県、鳥取県、徳島県を加えた二府八県を関西と定義…と書いてありました。

 

見れば見るほどわからない。さて一体どこなのか。

三重県の広域連携/三重県は中部地方?近畿地方?

このサイトがはっきりと名言していました。

「結論からいえば、三重県は中部地方にも近畿地方にも属していると考えています。」
つまり、公式に中途半端だという結論でした。

 

三重県出身は関西出身ではないのか?

三重は関西なのか…その答えは要するに時と場合によるのですが、ここまで私がかたくなに「関西出身じゃないです。」というには理由があります。それは地元を出た後、京都に6年、大阪に2年住んでいた事が関係しています。この経緯があるので「三重は関西」なんて口が裂けてもいえないのです。

 

高校を卒業して京都の大学に進学しました。同じ学校からの進学者がほとんどおらず、不安でしたが2ヶ月もするとお昼休みに大教室で一緒にご飯を食べる友人もできました。部活にも入り順調なキャンパスライフだと安心していました。

 

しかし、ある日言われたのです。
「みほちゃん、ずっと思っててんけど…それ関西弁ちゃうで。」
「あんま仲良くない時に言ったら悪いと思って言わんかったけど…それ関西弁ちゃうで。」

 


まじかよ…!!
小学校の時地図帳で「近畿地方」って習いましたやん。
暗記させらあれましたやん。テストでそう書きましたやん。
両親は阪神ファンですやん。
HEPファイブでお買いものしますやん(片道1時間半)
新喜劇見て育ちましたやん。
年末はオールザッツ漫才徹夜で見てましたやん。

 

色々思うところはあったのですが、天下の大阪出身の友人に言われたのです。逆らえるはずがない…!

それから幾度となく叩き込まれました。「三重は関西じゃない」「近畿は二府四県」「少なくとも俺たちは三重が関西だと思っていない」…そんな暮らしを8年間も過ごしたのです。いくら遠い東京の地といえども「三重は関西ですよ。」とは言えません。もし、この会話の輪に大阪の人が潜んでいたら吊るしあげられる…恐ろしい…口が裂けても言えない…


その結果かたくなに「いやいや関西出身じゃないですよ。」と答えることになったのです。すると、当然のごとく「絶対関西じゃん。」「関西弁喋ってんじゃん。」と反論されます。

 

もう毎日毎日疲れました。
少しずつ方言も抜けてきましたが、まだ半年、さすがに完全に標準語は話せません。
しかし東京の奴らは私の発する「なんで?」の3音だけでも目ざとくイントネーションの違いを見つけるのです。

 

そしてこの後「じゃあどこなの?」と聞かれ「三重です。」と答えるとさらに面倒な流れが待ち受けています。

 

次回

・言われて腹が立った言葉十選
・三重を馬鹿にされた時の反応テンプレート
・春は忍者がよく増える

(予定)
つづく…