恐山でイタコに会いたい!~下北恐山編~
恐山でイタコに会って口寄せをしてもらいたい!という長年あたためた願いを叶えるために北へ向かった私。時間とお金に追われながら駆け足で青森市観光を終え、恐山のある下北へやってきました。ほんとのほんとのメインの恐山に行ってのイタコの口寄せ、そしてその前の下北で飲んだ夜の記録です。
前編はこちら
- 19:08 下北到着
- 20:00 居酒屋ほそ川
- 22:00 B&B ゲストハウスMuu
- 5:30 恐山
- 6:00 イタコの口寄せ
- 7:00 口寄せ終了 恐山散策
- 朝食兼昼食
- 13:00 下山、下北駅から青森駅へ
- 17:00 青森駅 帆立貝味噌焼き
- 22:20 青森駅から東京へ
19:08 下北到着
さて、ゲストハウスに泊まる予定なのですが、その前に下北の町で飲むぞ!と飲み屋街を目指しました。調べてみると、どうやら田名部神社という神社の周辺がスナックや飲み屋が軒を連ねているみたいです。
3キロ弱で40分ほど歩けば着きそうだったので、徒歩で行くことに。時間も早いし何も考えてなかったんですけど、歩き出して気付いた。めちゃくちゃ真っ暗。
むつ市出身の松山ケンイチさんがよく行っていたという定食屋「朝比奈食堂」があったり
私の知ってるファミリーマートではないファミリーマートがあったり
ほんとにこの先に飲み屋街があるのか!?と不安になりながらも歩くこと40分。
まがうことなき飲み屋街に到着しました。
ちょっと時間がまだ早いんですね。
とりあえず前情報無しだったので、ネットで必死に探していい感じだった「居酒屋ほそ川」というお店へ。ママさんがいて、地元の人で賑わってそうで、そして高くなさそうなところを探しました。
奥です…
20:00 居酒屋ほそ川
まだお客さんがいなくてちょっとひるみましたが、想像通りの優しそうなママさんでホッとしました。席に座るとおかずが次々出てきて、お酒は日本酒を二杯頂きました。
本当に次々出てくる。
おかずはおまかせで、「嫌いなものある?」と聞いてくれたので「きゅうりですね~」と普通に答えたら、ママさんが背中を向けて今から出そうとしていたお皿のお漬物からきゅうりをちゃちゃっと抜いてくれていました。感動。そしてすみません。
しばらくすると、常連っぽいおじさんが右隣に1人、さらにお姉さんを2人連れたおじさんがまた1人来てカウンターはいい感じに。カラオケ大会が始まって私はこういう時のとっておき「ら・ら・ら」を披露して、お酒も2杯くらいおごって頂いて、皆さんとても優しかったです。
そしてお会計はこんな感じ。
サービス料ではなくサービスカットだよ!おそらくおかずでチャージ込みなんでしょうね。安い!こんなベロベロで2000円て!楽しかった…!
宿まではタクシーで行くと話すと、ママが「タクシーなんてもったいない!車呼べるかもしれないから待ってて!」と言ってどこかに電話をして、突然登場したおじさんが車で送ってくださりました(元従業員だったか何だったか…)。帰る時に隣のおじさんが電話番号をメモして「何か困ったことがあったら呼べよ!」と渡してくれたりして、とにかくむつの人優しすぎる。帰りたくなかった…。
・飲食代2000円
22:00 B&B ゲストハウスMuu
連絡はしてあったものの予定時刻を遅れてのチェックイン。住宅街に現れるログハウス風の宿です。オーナーは男性1人で、他には仕事で来ているという男性の宿泊客が1人、そしてめちゃくちゃ元気なワンちゃんが一匹。
宿泊プランとしてワインが一杯ついていたので、すでにベロベロでしたが頂くことに。オーナーともう一人の男性とワインを飲み交わしながらめちゃくちゃ喋ったんですけど…ちょっと覚えてないです…。オーナーの話がめちゃくちゃ面白かったのと…男性は三重に住んでたことがあるとか…。
そして犬にめちゃくちゃさかられました。
ほぼ記憶のない私。
そういえば明日は5時起き。開門の6時に間に合わせるため、タクシーはすでに宿まで配車予約してあるのです。お部屋は外国みたいで可愛かったです。
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・素泊まり4000円前後
5:30 恐山
二日酔いがひどい。硫黄のにおいが凄まじくて山道を走るタクシーの車内で何度「もう駄目だ…」と思ったことか。
途中大きな鳥居をくぐったところで、タクシーの運転手さんが「霊感が強い方はこのあたりから気分が悪くなったりするみたいですね」と言っていましたが、私は絶賛二日酔いで気分が悪いです。
6:00 イタコの口寄せ
山門をくぐってすぐに「イタコの口寄せ」というのぼりが立てられていて、3つの小さな小屋が並んでいました。それぞれすでに10人ほど人が並んでいて、イタコさんが小屋に入っているところもあれば、まだ来ていないところもあり、6時頃に全ての小屋で口寄せが始まったようでした。
(この写真は帰りに撮ったもので、朝は小屋ごとに列が出来ている感じ)
だいたいかかっている時間は1組10分15分ほど。1人で来ている人もいれば何人かで来ている人もいて、自分の番まであと3組くらいになってくるとだいたい口寄せの様子も見えてきます。
小屋というか簡易テントみたいなので、別に扉とかもなく中の様子どころか、何を話してるかまで聞こえてくるんですよね。
口寄せっていうのは、亡くなった方をイタコ自身に憑依させてその体を使って喋る…という認識ですが、やっぱり気になるのは「何を喋っているのか?」「口調などは変わるのか?」というところ。
しばらく聞いていると、だんだんわかってきたのですが、口調や話している調子は全部同じです。何だったら内容もほとんど同じで「よく来てくれた」「お前たちを残して逝ってしまって申し訳ない」「今は元気だから心配しなくていい」というようなことでした。
な~んだ!って思うかもしれませんが、これね、確信しました。
「これ、自分の番になったら何言われても泣くわ」ってね。
前の人とか、おそらくお母さんと成人済みのお子さん3人で、お父さんを口寄せしてもらってお話していたみたいでした。みんなそれぞれ時間をかけて朝早くから恐山まで来てるわけで、何を言ってもらえたとかじゃなくて、ちょっと言葉を交わせて、あぁ良かったな、って思えると思うんですよね。
そんなこんなで自分の番がまわってきました。
口寄せの流れは、まず口寄せしたい亡くなった方の生年月日と命日を伝えて、自分との関係性などを伝え、さらに何か聞きたいことがあるか聞かれます(私の時はこの質疑応答の部分が憑依中だったので、タイミングを逃して何も聞けませんでした)。
全て伝え終わると、イタコさんが長い数珠をじゃらじゃらとさせて念仏を唱え、一連の動作が終わると憑依状態で話し始めます。とりあえずこの長い数珠に感動しました。本当に長い数珠だ!って。
ちなみに小さい頃に亡くなったおじいちゃんを口寄せしてもらいました。
別にこれといって特別な話してないけどね、
泣いたよ。
あ~おじいちゃん、大人になってからも喋りたかったよ。
7:00 口寄せ終了 恐山散策
早っ!!!!
11時間並ぶって話は…?秋だから?タクシー代…とまぁ色々思いつつ、無事目的を完遂出来ましたよ。ちなみに「いやいや、この後に沢山並ぶのでは?」と思ったけど、お昼頃はガラガラでした。
というわけで、あとはノープランだったので恐山をゆっくり見てまわることに。
まさか恐山で「ポケモン」の文字を見るとは思っていなかったよ。
口寄せのことしか考えていなかったのですが、恐山自体大変見ごたえのある場所でした。
左手に見えるのが本堂です。
また熊…。
物々しい雰囲気の岩場。カラスが飛び回っていて、まさに地獄の風景。
そこいらじゅうにある風車は幼い子どもや水子供養のためで、お花の代わりだそうです。
売店で400円で売ってます。
地獄の岩場を抜けたら極楽浜です。
えらく新しい像だなぁと思ったら東日本大震災の追悼のために作られた地蔵菩薩らしいです。
この世の果てに来たんだなぁとしみじみ。
雨降って寒過ぎて首に手ぬぐい巻いてたの忘れてました。
ぐるっとまわって1時間以上かかりましたね。
しかも、来るまで知らなかったのですが温泉がありました。
参拝者は自由に入れるそうで、ありがたく浸からせて頂きました。
硫黄がめちゃくちゃ強くて10分くらいしか浸からない方がいいらしいです。そしてシャワー無し!見事に硫黄負けしました。お湯もめちゃくちゃ熱かったです。
そして、ここでカッパを持ってきていたことに気付く。
帰りに口寄せエリアを見てみましたが、人はまばらでした。
朝は薄暗かった三途の川の橋にももう一度行ってみました。水がうす緑で、そこにかかる橋の赤が映えてすごく幻想的。
うーん、やっぱりこの世の風景じゃないな。
山料500円でじっくりまわったら2時間はかかるし、温泉まで入れるなんてコスパ良すぎ!恐山!
朝食兼昼食
とはいえ、その他にお金使いすぎたのでお昼ごはんは前日に買ったイギリストーストね。
イギリスフレンチトースト~十勝牛乳のチキングラタン~
一枚のパンに地名が乗っかりすぎてる。
マーガリンにグラニュー糖がかかっているプレーンイギリストーストが美味しかったです。間違いない味。
13:00 下山、下北駅から青森駅へ
帰りはバスで下北駅へ。なんだかんだ午前中ずっと恐山にいました。バスの待ち合いの場所も綺麗だったし、風景自体は最果ての霊山感バリバリでしたが、施設は整っていて、観光スポットって言ってしまうのはあれだけど、とても見やすいところでした。
・下北駅周辺から30~40分(タクシー6000円)(バス800円)
・入山料500円
・イタコの口寄せ4000円
ありがとうむつ市。
セルフタイマーです。
この日の夜行バスで東京に帰るので、また青森駅に戻ります。
17:00 青森駅 帆立貝味噌焼き
夜の青森駅周辺は賑わっていて、これまた都会を感じました。
昨日のようにふわふわと飲みたいところですが、もうお金がほとんど残っていません。辛い旅だ。
青森出身の友人に「これは食べるべし!」と教えられた「帆立貝味噌焼き」を青森最後の夕食に。青森駅からすぐに「帆立小屋」というお店で、店内には帆立釣りコーナーや、日本酒飲み比べコーナーなどワクワクポイントがいっぱい。
今回は我慢して帆立貝味噌焼き定食を粛々と頂きました。
美味しい!
ゆっくりゆっくり食べていたのに、最後帆立が1個になってしまった時の悲しさたるや。
この後、夜行バスまでの時間まで暇だったので、ツイッターで教えてもらった「アウガ」という建物のフリースペースでパソコンしたり(残念ながら閉館した模様)、位置情報系のマッチングアプリを起動して青森にどれだけのユーザーがいるのかチェックしたりしていました。
最後、どうしても郷土料理である生姜味噌おでんが食べたくて、でもお金がなくて、最安値の方法を考えた結果…
コンビニにありました。
私は天才だった。
(お金のこと記録してたはずなのに貝味噌定食とおでんの値段メモしてなかった)
22:20 青森駅から東京へ
さようなら、青森。もっと食べたいもの沢山あったよ…!!
東京から夜行バスだったら数千円で来れるし、観光出来るところいっぱいあるし、食べ物美味しいし、まだまだ知りたいことが沢山あるよ、青森。
口寄せが出来て満足したけど、また恐山には行きたいなぁ。
ちなみにおじいちゃんの情報は、事前に父に聞いてたんですけど、そりゃそうですよね〜な反応でした。